時計の読み方の教え方|長い針と短い針を順番に

2026-10-05・5分・1年 / 時こく / 時計の読み方・文:山野 健太

時計の読み方は、短い針と長い針をどの順番で読むかが分かればつまずきにくくなります。よくある間違い、検算できる例題、家庭での声かけをまとめました。

時計の読み方は、小学1年生で「なんじ」「なんじはん」から始まり、やがて「なんじなんぷん」まで読めるようにしていく単元です。デジタル表示の時計を日常で見る機会が増えた分、長い針と短い針がある時計(アナログ時計)を読む経験が少ないまま1年生を迎える子も多く、ここでつまずきやすくなっています。

この記事では、時計の読み方のどこでつまずきやすいかを具体的に見たあと、2本の針をどの順番で読むかを整理します。例題と、家庭で教えるときの声かけの例もあわせて紹介します。

どこでつまずくか

いちばん多いのは、長い針と短い針のどちらが「なんじ」を表しているかが分からなくなることです。短い針は1周するのに12時間かかるのに対し、長い針は1周するのに1時間しかかからないので、動く速さがまったく違うという感覚がまだないうちは、見分けがつきにくいのも無理はありません。

もう1つ多いのが、短い針がちょうど数字の上になくても、次の数字に近ければ次の時刻だと思ってしまう間違いです。たとえば短い針が9と10の間にあるのに、10に近いからと「10時」と答えてしまうような形です。短い針は1時間かけてゆっくり次の数字へ動いていくので、次の数字にぴったり重なるまでは、まだ手前の時刻のままです。

長い針についても、数字をそのまま「なんぷん」と読んでしまう間違いがよく見られます。長い針が3を指しているのを「3分」と答えるような形です。長い針の数字は、1つ進むごとに5分ずつ増える目もりなので、数字をそのまま使うと答えが大きくずれてしまいます。

こうしたつまずきの多くは、時計の仕組みそのものよりも、「2本の針にはそれぞれ役目があり、読む順番が決まっている」ということがまだ整理できていないことが原因です。順番さえ決めてしまえば、あとは数えるだけで読めるようになります。

2つの針の役目(短い針から読む)

時計の針は、短い針が「なんじ」、長い針が「なんぷん」を表しています。読むときは、まず短い針を見て「なんじ」を確かめ、そのあとで長い針を見て「なんぷん」を確かめるという順番を決めておくと、2つの情報が混ざりません。

長い針が12をちょうど指しているときは「ちょうど」で、分の数は0分です。長い針が6をちょうど指しているときは「30分(半)」です。この2つの形はよく出てくるので、特別な形として先に覚えてしまうと、あとの学習が楽になります。

長い針は、数字が1つ進むごとに5分進みます。1なら5分、2なら10分、3なら15分というように、5、10、15、20と5とびで数える練習をしておくと、どの数字からでもすぐに分を求められます。

短い針は、数字と数字の間を1時間かけてゆっくり動きます。長い針が進んで分の数が増えるほど、短い針も次の数字に近づいていきますが、次の数字にぴったり重なるまでは、まだ手前の時刻です。「短い針が9と10の間にあって、長い針が7を指している」なら、まだ9時台で、9時35分になります。

例題で確認

例題1、短い針がちょうど3を指し、長い針が12を指しています。長い針が12のときは0分なので、答えは3時です。

例題2、短い針が7と8の間にあり、長い針が6を指しています。長い針が6のときは30分なので、答えは7時30分(7時半)です。短い針はまだ8にぴったり重なっていないので、7時台のままです。

例題3、短い針が9と10の間にあり、長い針が7を指しています。長い針の数字は1つにつき5分なので、7×5=35分です。短い針はまだ9時台なので、答えは9時35分です。

答えが合っているか不安なときは、長い針の数字をもう一度5とびで数え直して確かめると安心です。例題3なら、5、10、15、20、25、30、35と7回数えて35分になることを確かめられます。

例題4、今が3時50分だとして、10分後は何時何分でしょうか。50+10=60になり、60分はちょうど1時間なので、答えは4時(4時0分)です。分の数が60になったら、1時間くり上がって、次の時こくになります。

時計の読み方に慣れてきたら、こうした「○分後」の問題にも少しずつ挑戦してみましょう。長い針と短い針の役目が分かっていれば、同じ考え方で解き進められます。

よくある間違いと直し方

いちばん多い間違いは、2本の針を見る順番が決まっていないために、長い針を先に見て「なんぷん」を時の数と思い込んでしまうことです。「みじかいはりが、なんじ」「ながいはりが、なんぷん」と声に出す順番を決めてしまうと、混ざりにくくなります。

次に多いのが、短い針が次の数字に近いからと、先の時刻を答えてしまう間違いです。「みじかいはりは、ぴったり重なっている?」と聞いて、重なっていなければまだ手前の時刻だと確認させると、間違いに気づきやすくなります。

長い針を数字のまま「なんぷん」と読んでしまう間違いには、指で数字をなぞりながら「5、10、15」と声に出して数える練習が効きます。慣れないうちは、1から12までの数字の下に、5とびの数を小さく書いておくと、見た目で確かめながら読めます。

どうしても読めないときは、いったん長い針が12か6を指している「ちょうど」「はん」の形だけに戻ると効果的です。まず2つの特別な形がすぐ分かるようにし、そこから少しずつ他の形へ広げていくほうが、焦らず身につきます。

家庭での声かけ

言葉の言いかえは、子どもが自分で気づくきっかけを作るためのものです。答えを教えるかわりに、次のような聞き方に変えてみてください。

「はやく読んで」と言うより、「みじかいはりは、どこにある?」と聞くほうが、読む順番に意識が向きます。

「ちがうよ」と言うより、「ながいはりは、いくつずつ進む?」と聞くほうが、どこで止まっているかが分かりやすくなります。

「もう1回」と言うより、「本物の時計で確かめてみよう」と誘うほうが、生活の中で時計を見る習慣にもつながります。

毎日の生活の中で、「今、なんじなんぷん?」と時計を見て答えてもらう機会を作ると、少しずつ読み方がすらすらになっていきます。焦らず、短い針から読む順番を体で覚えることを優先しましょう。

マスマップの「とけいを よむ」の単元では、「まなぶ」で短い針と長い針の役目を図で確認してから、ちょうど・はんから5とびの読み方まで順番に練習できます。読み方に慣れてきたら、「時こくと時間」の単元で、時刻と時間の違いや60での繰り上がりも確認しておくと、2年生の学習にスムーズにつながります。

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