かけ算の筆算のやり方と、つまずきやすい3つのミス

2026-09-26 更新・5分・3年 / 計算 / 家庭学習・文:山野 健太

「くり上がりを忘れる」「位がずれる」「九九をまちがえる」。かけ算の筆算で多いミスを、実際の計算例とあわせて整理し、家庭でできる声かけ例を紹介します。

かけ算の筆算は3年生で習います。2けた×1けたから始まり、3けた×1けた、2けた×2けたへと進みます。手順自体は単純ですが、書くことが多いぶん、ミスが起きやすい単元です。

この記事では、筆算の手順を例で確認したあと、特に多い3つのミスと、家庭での声かけのしかたを紹介します。

筆算の前に確認しておきたいこと

かけ算の筆算は、九九・たし算のくり上がり・位の考え方の3つを組み合わせた計算です。どれか1つがあやふやだと、筆算のどこかで必ずつまずきます。

特に大切なのが、位の考え方です。23は「20と3」、247は「200と40と7」でできています。この分け方が分かっていると、筆算が何をしているのかを理解できます。

たとえば 23 × 4 は、20 × 4 = 80 と 3 × 4 = 12 を合わせて 80 + 12 = 92 と計算できます。筆算は、この計算を位ごとに縦に並べて、書く量を減らした方法です。筆算の前に、こうした分けて計算するやり方を一度やってみると、くり上がりの意味も分かりやすくなります。

基本の手順:一の位からかけていく

例として 23 × 4 を計算します。まず一の位の 3 × 4 = 12 です。答えの一の位に2を書き、十の位へ1をくり上げます。

次に十の位の 2 × 4 = 8 を計算し、くり上げた1をたして9にします。十の位に9を書いて、答えは92です。「かけてから、くり上がりをたす」という順番が大切です。

3けた×1けたも同じです。247 × 3 なら、7 × 3 = 21 で1を書いて2をくり上げ、4 × 3 = 12 に2をたして14、4を書いて1をくり上げ、2 × 3 = 6 に1をたして7です。答えは741になります。

ミス1:くり上がりの足し忘れ

いちばん多いのは、くり上がりをたし忘れるミスです。247 × 3 で、十の位の 4 × 3 = 12 に2をたし忘れると、十の位が2になり、答えが721になってしまいます。

くり上がりは、上の位の近くに小さな数字として書いておくと忘れにくくなります。書いた数字は、たしたら斜線で消すようにすると、「もうたした」「まだたしていない」が見て分かります。

ミス2:2けたをかけるときの位ずれ

2けた×2けたでは、2段目の書き始める位置がずれるミスが増えます。例として 34 × 26 を計算します。

1段目は 34 × 6 = 204 です。2段目は 34 × 2 ですが、この2は十の位の2、つまり20を表しています。だから2段目は68ではなく680で、68を十の位から書き始めます。最後に 204 + 680 = 884 で、答えは884です。

2段目を一の位から書いてしまうと、204 + 68 = 272 となり、大きくずれた答えになります。「2段目は十の位の数をかけているから、十の位から書く」と理由ごと覚えると定着します。一の位に0を書いておく方法も有効です。

ミス3:九九のまちがいと、見直しの工夫

手順が合っていても、7 × 8 や 6 × 7 のような九九でまちがえることがあります。筆算のミスが続くときは、筆算の練習をいったん止めて、九九の苦手な段だけを確認すると早く解決します。

見直しには、およその数で答えを予想する方法が役立ちます。34 × 26 なら、30 × 30 = 900 くらいになるはずです。答えが884なら近いので安心できますが、272なら「どこかおかしい」と気づけます。

かけ算の順番を入れかえて確かめる方法もあります。23 × 4 の答えが92なら、4 × 23 を計算しても92になるはずです。時間に余裕があるときは、答えを出したあとに別のやり方でもう一度計算すると、ミスを自分で見つける力がつきます。

ノートの使い方も大切です。数字が小さかったり、列がそろっていなかったりすると、位ずれが起きやすくなります。マス目のあるノートを使い、1マスに1つの数字を書くようにすると、それだけでミスが減ることがあります。

家庭での声かけ例

まちがいを見つけたとき、「ここ違うよ」と答えを直すより、「いま何の位を計算しているところ?」と聞くのがおすすめです。手順に意識が戻ると、自分でミスに気づけることが増えます。

くり上がりを忘れたときは、「小さい数字はどこに書いた? もうたした?」と聞いてみてください。責めるのではなく、確認の手順を一緒にたどる声かけが効果的です。

ミスが続く日は、問題の数を増やすより、1問をゆっくり正しく終えることを優先しましょう。正しい手順で解けた1問のほうが、急いで解いた10問より身につきます。

マスマップの「かけ算の筆算」の単元では、「まなぶ」で位ごとの計算を図で確かめてから練習に進めます。暗算がむずかしいときは、問題を見ながら手書きの計算スペースで筆算を書けます。

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